型枠大工とは?仕事内容や魅力、将来性などを徹底解説

現場仕事の求人情報 ゲンバーズ

ゲンバーズは建設業・運送業など現場で働く人を応援する求人サイトです。

型枠大工とは?仕事内容や魅力、将来性などを徹底解説

型枠大工とは?仕事内容や魅力、将来性などを徹底解説

建設業界で安定して稼げる仕事を探しているなら、「型枠大工」という選択肢を知っておいて損はありません。特に中卒・高卒・専門卒で進路に迷っている方や現場職未経験の若者にとって、型枠大工は手に職をつけながらしっかり収入を得られる、将来性ある職業です。この記事では、型枠大工の仕事内容から魅力、向いている人の特徴、キャリアアップの道筋、取得しておきたい資格までを解説します。

もくじ
  1. 1.型枠大工の仕事内容|建物の“型”を作る重要な仕事
  2. 2.型枠大工の魅力とやりがい|未経験でも誇れる仕事ができる
  3. 3.型枠大工に向いている人|性格・特徴・価値観から見る適性
  4. 4.型枠大工の将来性とキャリアアップ|手に職で広がる選択肢
  5. 5.型枠大工に関連する資格|キャリアアップ
  6. 6. 関連の求人情報を見る

型枠大工の仕事内容|建物の“型”を作る重要な仕事

型枠大工の主な仕事は、建築現場でコンクリートを流し込むための“型”を組み立てることです。建物の土台や柱、壁などの構造部分を形づくるために必要不可欠な工程を担っており、建設の初期段階から重要な役割を果たします。図面を読み取りながら、木製や金属製の型枠資材を正確に組み立て、コンクリートが固まったあとは型枠を丁寧に取り外します。未経験から始めても、経験を積みながらしっかりと技術を習得できる職種です。

図面の書き出し(ひろい出し)

「ひろい出し」とは、図面をもとに必要な資材や材料の数量、寸法を割り出す作業のことです。施工前に何がどれだけ必要なのかを正確に把握することで、資材不足や無駄を防ぎ、スムーズな施工につながります。型枠工事では特に、ベニヤ板や角材、金物などの数量を事前に把握することが重要で、この「ひろい出し」が正確であればあるほど、現場の段取りが良くなります。

墨出し・測量の補助作業

墨出しとは、建築図面をもとに建物の中心線や壁の位置などを現場の床や壁に直接マーキングする作業です。これは建物全体の正確性を保つために非常に重要な工程で、型枠を組む基準にもなります。最初のうちは職人の補助として測定機器の準備やマーキングの補助を行いますが、経験を積むごとに自分で墨出しができるようになっていきます。建物の精度を支える仕事として、誇りと責任を持てる工程です。

コンクリート型枠の組み立て作業

墨出しで示された位置に従って、ベニヤ板や鋼製の型枠資材を組み立てていきます。型枠は、コンクリートの流し込みに使う“器”のようなもので、これが歪んでいたり位置がズレていると、建物そのものが傾いたり不具合が生じる原因となってしまいます。そのため、墨出しとの整合性をしっかり確認しながら、水平・垂直を保つことが重要です。

コンクリート打設

型枠の組み立てが完了すると、次はコンクリートを型の中に流し込む「打設(だせつ)」作業を行います。コンクリートを均一に流し込むには、バイブレーターという機械で振動を与え、空気を抜く作業が必要です。これにより気泡やムラのない、強度のある構造体が完成します。タイミングやスピードのコントロールが重要で、型枠の状態や天候にも注意を払う必要があります。

型枠の解体作業

コンクリートが完全に硬化したあとは、型枠を取り外す解体作業を行います。力任せではなく、建物にダメージを与えないよう、慎重かつ効率的に進めることが求められます。使った資材を丁寧に外し、再利用できる部材はきちんと保管・整理します。現場によっては次の工区に再利用されるため、解体作業はリサイクルと資源管理の観点からも重要です。解体の段階で建物の出来栄えが見えるため、達成感を得られる場面でもあります。

型枠大工の魅力とやりがい|未経験でも誇れる仕事ができる

型枠大工は「現場職=きつい」と思われがちですが、実際にはその先にある“楽しさ”や“誇り”が多くの職人を惹きつけています。自分の手でカタチを生み出す感覚や、仲間と達成する喜び、体を使って働く心地よさなど、やってみなければわからない魅力が満載です。最初は覚えることも多いですが、努力が目に見えて実る仕事なので、未経験からでもやりがいを強く感じられます。ここでは、そんな型枠大工ならではの魅力を具体的にご紹介します。

完成した建物が街に残る誇り

型枠大工の魅力のひとつは、自分が関わった建物が長い年月をかけて街に残るという誇りです。何気なく通るビルや商業施設、住宅なども、自分が作業した場所だと思うと、まるで作品の一部のように感じられます。手掛けた仕事が誰かの生活や社会のインフラに貢献しているという実感は、単なる作業では得られない深い満足感をもたらします。

仲間とのチームワークが楽しい

型枠工事は1人ではできない仕事です。だからこそ、現場では自然と仲間同士のコミュニケーションが生まれ、強い絆が育まれます。声をかけ合いながら作業を進め、苦労を乗り越えた先に共有する達成感は、まさにチームワークの醍醐味です。年齢や経験に関係なく、現場で信頼関係が築かれるため、未経験者でも安心して飛び込めます。

現場が変わるから新鮮

型枠大工の仕事は、毎回同じ場所で同じことを繰り返すわけではありません。建物の種類や構造、規模によって現場は変化し、求められる技術や対応も異なります。そのため、常に新しい課題と出会い、日々が刺激的です。「昨日と同じ今日はない」仕事なので、飽きることが少なく、モチベーションを保ちやすいのが特徴です。新しい現場に行くたびに、自分の経験値が積み重なっていく実感も得られます。

未経験からでも達成感が得られる

型枠大工は、未経験からでも“できること”がどんどん増えていく仕事です。最初は先輩のサポートから始まりますが、教わったことを1つずつクリアすることで、成長を実感できます。目の前でカタチになっていく建物を見ながら、「自分の手でつくっている」というリアルな感覚を得られるのも魅力です。「何もできなかった自分が、ここまでできるようになった」と感じられる経験は、他では得がたい達成感につながります。

型枠大工に向いている人|性格・特徴・価値観から見る適性

型枠大工は、特別な学歴や資格がなくても始められる職種ですが、だからこそ「どんな人が向いているか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。実際には、器用さやセンスよりも、日々の仕事に真面目に向き合う姿勢や、チームでのコミュニケーションを大切にする気持ちのほうが求められます。ここでは、型枠大工に向いている人の特徴を性格や価値観の観点から具体的に解説します。

体力に自信がある人

型枠大工は屋外での作業や重量物の扱いも多いため、体を動かすことが苦にならない人や、持久力・筋力に自信がある人に向いています。日常的に運動をしている方、学生時代にスポーツに打ち込んでいた経験がある方などは特に適性があります。重機を使う場面もありますが、基本は自分の手と足で動き回る仕事なので、机に向かってじっとしているよりも、汗をかいて働くのが好きな人にはピッタリです。

細かい作業を丁寧にこなせる人

型枠作業は「ただ組むだけ」と思われがちですが、実はミリ単位のズレも許されない繊細な作業の連続です。そのため、丁寧に作業することが得意な人や、細かい確認を怠らない几帳面な性格の人が向いています。特に図面通りの寸法で型枠を作る精度が建物の完成度に大きく影響するため、真面目で集中力のある人は現場で重宝されます。

コツコツ努力を続けられる人

型枠大工は職人仕事です。派手な才能よりも、地道な努力を継続できることが重要になります。最初は材料の名前すら分からなくても、毎日の現場で経験を積んでいくうちに、自然と作業スピードも精度も上がっていきます。一気に成長を目指すよりも、一歩ずつ着実に進むタイプの人に向いている仕事です。

仲間と協力して働くのが好きな人

型枠大工はチームで動く現場仕事です。誰かひとりがミスをすると、全体に影響が出ることもあるため、声をかけ合って連携することが欠かせません。コミュニケーションが得意でなくても、あいさつや報連相を意識できる人、仲間を思いやる気持ちがある人であれば、現場で信頼される存在になれます。「人と一緒に頑張るのが好き」「協力して達成するのが楽しい」と思える人は、チームの中で大きな戦力になるでしょう。

型枠大工の将来性とキャリアアップ|手に職で広がる選択肢

「この仕事を一生続けられるのか」「もっと稼げるようになれるのか」といった将来への不安は、未経験で現場職を考える方ほど大きいものです。しかし、型枠大工は将来性もキャリアアップの道も非常に豊富です。建設業界全体が人手不足と若手不足に悩まされている中、実力をつければ現場での評価が高まり、職長や管理職、独立といった選択肢も現実的になります。ここでは、型枠大工としてのキャリアの広がりを具体的にご紹介します。

進む職人の高齢化と若手人材への期待

建設業界全体で深刻化しているのが「職人の高齢化」と「若手不足」の問題です。特に型枠大工は高度な技術が求められる一方、体力も必要とされるため、高齢の職人が引退していく流れが年々進んでいます。その一方で、若い人材の採用は業界全体の急務となっており、未経験でもやる気と継続力がある若者は非常に歓迎されます。今この業界に飛び込めば、実力次第で早期のキャリアアップや職長への抜擢も可能で、将来の中心人物として育ててもらえるチャンスがあります。「若い」というだけで期待される貴重なタイミングです。

経験を積んで「職長」へステップアップ

現場経験を重ねて技術と信頼を積み上げると、チームをまとめる「職長(しょくちょう)」というポジションを目指せます。職長は、現場の安全管理や工程管理、職人の指導など、全体のリーダーとしての役割を担います。日々の積み重ねを評価され、現場の中核として活躍するポジションなのでやりがいも大きく、責任ある立場に見合った報酬も得られるようになります。周囲の信頼と技術力がキャリアの後押しになります。

独立して一人親方として働く道

型枠大工は、腕に自信がつけば「一人親方」として独立することも可能です。自分の裁量で仕事を選べる自由度の高さがあり、収入アップも見込めます。最初は小規模な現場からスタートして、信頼を積み重ねていけば、元請けから直接仕事を請けることも可能になります。「いつかは自分の会社を持ちたい」「職人として独立して稼ぎたい」という目標がある方にとって、現場での経験はすべて将来の資産になります。

施工管理や技術職への転身も可能

型枠大工としての現場経験を積んだうえで、資格取得や研修を経て「建築施工管理技士」などの技術職へとキャリアチェンジする道もあります。施工管理職は、現場全体のスケジュール管理や品質チェック、業者間の調整などを担当し、より上流の立場で建設現場を支える仕事です。職人から技術職へと進むことで、体力的な負担を軽減しながらも、現場経験を活かせるキャリアパスが広がっていきます。

型枠大工に関連する資格|キャリアアップ

型枠大工の仕事は資格がなくても始められますが、実務を進めていく上で「あると有利な資格」が多く存在します。特に、現場での安全性や効率を高めたり、キャリアアップを目指すうえでは、資格の取得が大きな武器になります。ここでは、CCUS(建築キャリアアップシステム)の能力評価基準に則り、型枠大工として持っておくと有利な代表的な資格をご紹介します。

入職~3年目まで

型枠大工として入職してから最初の1〜3年は、基本的な作業を安全にこなすための資格取得が大きなステップになります。ここでは、未経験からでも比較的短期間で取得でき、現場で即戦力として評価される2つの資格をご紹介します。どちらも講習形式で学べるため、現場経験が浅くても取得しやすく、自信をもって作業に取り組めるようになります。

玉掛け技能講習
クレーン作業で必要な資材を安全に吊り上げるための基礎資格。型枠工事ではパネルや鋼材など重量物を移動させる場面が多く、玉掛け作業は非常に重要です。この資格があると、クレーンオペレーターと連携した安全な作業が可能になり、現場での信頼も高まります。講習と実技試験で構成されており、数日間で取得可能。最初に取る資格として最適で、現場デビュー後の早い段階での取得が推奨されます。

丸のこ等取扱作業従事者安全衛生教育
木材の加工に使う電動工具「丸のこ」などを安全に使用するための教育です。型枠大工は木材を使った作業も多いため、この教育を受けておくことでケガのリスクを減らし、安全な作業ができるようになります。講習を受けることで、電動工具の構造や安全装置、作業中の注意点について正しく理解できるようになります。短時間の受講で済むうえに、未経験者でも安心して道具を扱えるようになる重要な講習です。

3年目以降~7年目まで

型枠大工として3年目以降になると、現場での役割が増え、後輩の指導や安全管理なども任されるようになります。このタイミングで取得を目指したいのが「主任者資格」や「1級技能士」といった、責任ある立場で働くための専門資格です。技術を深めつつ、信頼を形にしていくためのステップとして最適な資格ばかりです。

足場の組立て等作業主任者
高所での作業を安全に行うための「足場」に関して、現場の管理者として指導や監督ができる資格です。資格を持つことで、安全な作業環境を整える責任を担えるようになります。チームでの信頼感も高まり、現場から「任せられる存在」としての評価が上がります。経験年数と講習の受講が条件となりますが、取得後は現場での立場が一段と上がる、重要なキャリアの節目です。

型枠支保工の組立て等作業主任者
型枠を支える仮設構造物(支保工)の組立てを管理・指導する主任者として必要な資格です。現場において支保工は安全性と品質を左右する重要な要素であり、この資格を持つことで安全衛生の管理能力があることが証明されます。複数人の作業を監督できる信頼性を得ることができ、ステップアップした中堅職人としての実力をアピールできます。

1級型枠施工技能士
型枠大工としての技術力を国家資格で証明できる最上位の資格です。1級は実務経験7年以上が目安とされており、技能試験と学科試験をクリアする必要があります。取得することで、公共工事や大規模現場においても重要な技術者として認定され、収入面や待遇の向上も見込めます。職人として一流を目指すなら、必ず通るべき資格であり、現場からも高く評価される一生モノの称号です。

7年目以降~10年目まで

職人として経験を積み重ねた7年目以降は、現場の中心的存在として、さらに上の責任を担える立場へと進むタイミングです。この時期に目指すべき資格が「登録型枠施工基幹技能者」。これは、現場の技術とマネジメントを兼ね備えた“指導的ポジション”を公式に認められる制度です。

登録型枠施工基幹技能者
「登録型枠施工基幹技能者」は、国土交通省が推進する“基幹技能者制度”に基づく認定資格で、型枠工事業の中でも特に高度な知識と実績を持つ技術者だけが取得できます。取得者は、現場における技能指導・若手の育成・安全衛生の管理などを担う、いわば現場の“屋台骨”となる存在です。1級技能士や主任者の上位にあたる資格で、キャリアの集大成とも言えるステップです。ゼネコンや大手企業からの信頼も厚く、現場での影響力・報酬面の両方で大きなメリットがあります。

建築施工管理技士(1級・2級)

現場の進行を統括する「施工管理」や「現場監督」としてのキャリアを目指すなら、国家資格である建築施工管理技士の取得が目標になります。2級は現場経験2年以上で受験でき、1級になると大規模工事の監督も可能になります。職人として経験を積んだ後、さらに管理側の仕事にステップアップしたい場合に必須の資格です。将来の独立やキャリアの幅を広げたい方は、早い段階から意識しておくと良いでしょう。

関連する求人情報