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測量士とは?仕事内容や魅力、将来性と関連資格を徹底解説

「現場仕事に興味はあるけど、自分にできるか不安」——そんなあなたに知ってほしいのが測量士という仕事です。測量士は、建物や道路を作るときに欠かせない位置や高さを正確に測る、まさにモノづくりの出発点を担う職人です。
測量士の仕事は、未経験からでもチャレンジできるうえに、国家資格によるキャリアアップも可能。屋外での作業が中心ですが、体力だけでなく「チームで動ける人」「正確さを大切にできる人」にはぴったりの職業です。本記事では、測量士の具体的な仕事内容から魅力、将来性、関連資格までを徹底解説。ぜひ最後までご覧ください。
そもそも測量士とは?
測量士とは、建物や道路などをつくるために必要な「土地の形や位置情報」を正確に測定し、設計や施工の出発点をつくる専門職です。工事現場では必ず最初に行う重要な作業であり、測量がなければ工事は始まりません。正確なデータは安全な建築の土台となるため、ミリ単位の精度が求められます。国家資格があり、未経験からでも挑戦できるため、若年層にも人気の高い仕事です。将来性も高く、安定した職種として注目されています。
測量の基本は「正確さ」が命
測量士の仕事において最も大切なのは「正確さ」です。測量ミスがあれば、建物の傾きや構造の不具合につながる可能性があるため、ミリ単位での精度が求められます。専用の機械を使用して測定を行い、その数値をもとに設計図や工事の基準が決まっていきます。近年ではGPSやレーザー、ドローンといった最新技術の導入も進んでおり、技術職としての面白さもあります。コツコツ正確に取り組むのが得意な方にぴったりの仕事です。
現場とオフィス、両方の仕事がある
測量士の仕事は屋外と屋内の両方で行われる点が大きな特徴です。屋外では実際の土地や建設予定地に出向き、地形や距離などを正確に測定します。一方、オフィスでは測定データをもとに図面を作成したり、報告書をまとめたりといった事務作業をこなします。体を動かす現場作業と、頭を使うデスクワークの両方があるため、仕事にメリハリが生まれます。「ずっと現場は大変そう」「ずっとデスクワークも退屈」という人にはバランスが良く、働きやすい環境です。
工事の第一歩を担う測量
建築や土木工事において、最初に必ず行われるのが測量です。測量士が土地の形状や高さ、境界線などを正確に測ることで、建物の位置や構造が安全に決まります。たとえば、基礎工事や杭打ちの位置もすべて測量結果に基づいて行われるため、その重要性は非常に高いです。まさに現場の“ゼロ地点”をつくる仕事であり、測量士の精密な仕事がなければ、安全で正確な建築は実現しません。縁の下の力持ちとして現場を支える、やりがいのある職種です。
公共インフラから民間開発まで幅広く活躍
測量士の活躍の場は、公共工事から民間プロジェクトまで実に多彩です。たとえば道路や橋、ダムなどのインフラ整備では、国や自治体から依頼を受けて測量を行います。一方、住宅地の造成やマンション建設などの民間開発でも必要とされ、都市の発展に貢献できます。建築、土木、都市計画など幅広い分野で需要があり、景気の変動に左右されにくいのも大きな魅力です。社会に必要とされる仕事として、将来にわたって安定して働けるのが測量士の強みです。
国家資格としての信頼性がある
測量士は国家資格であり、その専門性の高さから社会的な信頼度も抜群です。資格を取得することで、独立や昇給などキャリアアップの可能性が広がります。また、測量士補などのステップを経て目指すルートも用意されており、未経験者でも段階を踏んで着実にスキルを積むことができます。一度取得すれば一生有効で、再取得の必要がない点も安心です。「安定した収入を得たい」「長く働ける職業がいい」と考える方にとって、測量士は非常に魅力的な選択肢です。
測量士の仕事内容とは?
測量士の仕事は「土地や構造物の位置・高さ・形状などを測ること」に集約されますが、その業務は多岐にわたります。現場での測定だけでなく、測定データの整理、図面や報告書の作成、法律に基づいた調査も含まれます。機械操作やチーム作業も多く、地道ながらもやりがいのある工程がたくさんあります。ここでは、測量士の一日や具体的な仕事内容を、未経験者でもわかりやすいようにご紹介します。
現地調査
測量士はまず現場に足を運び、測量対象となる土地や建物の環境を確認します。地形、障害物、天候、地面の状態などを観察し、どのような機器や手法が必要かを判断します。測定はただ機械を使えばよいわけではなく、事前の下調べがとても重要です。特に起伏の激しい地形や都市部などでは事前準備の質が測量精度に直結するため、慎重な目と判断力が求められる工程です。
測定作業
測量士が使用する代表的な機器には「トータルステーション」や「GNSS(GPS)」などがあります。これらを使って、角度・距離・高さなどを正確に測定します。測定は一人で行うことは少なく、複数人でチームを組んで協力しながら進めるのが基本です。地面の高低差や構造物の位置を細かく測る作業は、まさに職人技。作業中は集中力と忍耐力が必要ですが、同時に自然の中でのびのび働ける魅力もあります。
データ整理
現場で収集した測量データは、社内に戻ってからパソコンで処理します。専用のCADソフトなどを使って図面を作成したり、クライアントへの報告資料をまとめたりする工程です。この作業は正確性が求められると同時に、パソコンスキルも必要になります。とはいえ、操作は覚えてしまえば難しくありません。現場仕事と違って天候に左右されず、静かに集中できる環境で仕事が進められるのも魅力のひとつです。
法令確認や境界調査
測量は「ただ測る」だけでなく、法律や登記のルールを理解したうえでの作業もあります。たとえば土地の境界を確認する「境界測量」では、隣接する土地の所有者との立ち会いや、法務局の資料調査なども含まれます。こうした法令遵守の業務は、誠実さやコミュニケーション能力も必要とされます。難しそうに思えるかもしれませんが、先輩と一緒に少しずつ経験を積めば、未経験からでも十分に対応できます。
チーム作業
測量は複数人で行うのが基本です。現場では「測る人」「機器を操作する人」「記録を取る人」と役割を分担し、互いにサポートしながら進めていきます。未経験者の場合は、最初は道具運びやサポート役からスタートし、徐々に実務を覚えていく流れが一般的です。一人で作業するわけではないため、「知識がないから不安…」という方でも安心。チームで助け合いながら経験を積めるので、成長しやすい環境です。
測量士の魅力・楽しさとは?
測量士は、現場のスタートを支える重要な職業でありながら、未経験からでも目指せる希少な専門職です。国家資格であることに加え、安定した需要、現場と事務作業のバランス、そして地図や都市づくりに関わるやりがいなど、魅力的なポイントが多くあります。体を動かす仕事が好きな方、安定した職に就きたい方、自分の力で将来を切り拓きたい方にとって、測量士は非常に魅力的なキャリア選択といえるでしょう。
手に職をつけて長く働ける専門職
測量士は資格を取得すれば、年齢を重ねても長く活躍できる手に職の代表格です。技術や経験が積み重なるほど信頼が増し、年齢に関係なく需要が高まります。また、独立開業やフリーランスとして働く道もあり、働き方の自由度も広がります。資格取得までは学びが必要ですが、一度身につけた知識とスキルは一生モノ。将来的にも廃れにくい職種であるため、「安定した技術を身につけたい」という方にぴったりの仕事です。
体を動かしながら頭も使えるバランス型の仕事
測量士は、現場での活動とオフィスでのデータ処理の両方をこなすバランスの良い仕事です。「ずっと座っているのが苦手だけど、体を動かすだけの仕事も不安」という人にとって、ちょうど良い働き方ができます。屋外では天気や地形の影響もありますが、それも変化に富んだ仕事の楽しさといえるでしょう。デスクワークも徐々に覚えていけば大丈夫。運動と集中作業、両方をバランスよくこなしたい方にぴったりです。
「地図に残る仕事」だからこそのやりがい
測量士の仕事は形に残り、人々の生活の基盤となる場所を支える誇りある仕事です。自分が測量に関わった道路や建物、街並みが地図に残り、何十年先も使われ続けることもあります。「自分の仕事が社会に役立っている」と実感できる瞬間は、何ものにも代えがたいやりがいです。特にインフラ工事や公共事業などに携わった場合、地域の安全や利便性を支える大切な役割を果たせることがモチベーションになります。
測量士の将来性とキャリアアップ
「将来なくなる仕事」に不安を感じる方も多い中、測量士は今後も安定して需要が続くと見込まれている職業の一つです。インフラ整備や再開発はもちろん、防災・復興、災害対策にも関わるため、社会的に重要な存在です。また、AIやドローンといった技術の発展も測量士の業務を補助するものであり、むしろ高精度な作業へのニーズは増加傾向にあります。ここでは、測量士の将来性と安定性について詳しく解説します。
インフラ老朽化で再整備のニーズが高まる
日本では、高度経済成長期に整備された道路や橋などのインフラが老朽化を迎えており、点検や改修の需要が今後さらに増すと予想されています。その第一ステップとなるのが「測量」です。正確な現状把握がなければ、補修計画も立てられません。つまり、測量士の存在がますます必要とされるのです。将来にわたって公共事業が続く以上、測量の仕事も安定して求められる職業として、安心して働き続けられる魅力があります。
都市開発や再開発プロジェクトが続々進行中
都市部を中心に再開発プロジェクトや大型建設が次々と進んでいます。タワーマンション、駅前整備、商業施設の新設など、都市機能のアップデートが行われるたびに測量士の出番があります。こうしたプロジェクトは何年にもわたって継続されるため、長期的に安定した仕事が見込めます。建設業界全体で人手不足が叫ばれている中、測量士の技術は非常に重宝されており、未経験からでもしっかりと育成してもらえる土壌があります。
自然災害の多い日本では防災分野でも活躍
地震・台風・豪雨といった自然災害の多い日本では、防災・復旧の分野でも測量士の役割が重要視されています。被災地の地形を測り、崩れた道路や建物の現状を把握することで、安全な再建計画につなげることができます。また、災害予防のための地形分析や地盤調査にも測量は欠かせません。地域の安全を守るという社会貢献性の高い仕事であり、地域密着で働きたい方にもぴったりな職業です。
AIやドローンの発展は脅威ではなく追い風
AIやドローンといった新技術の登場は、測量士の仕事を奪うものではなく、むしろ効率を高めてくれるパートナーのような存在です。たとえば、危険な地形や広範囲の測定にはドローンが活躍し、そのデータを正確に処理するのが測量士の役目です。AIの登場によって、測量データの自動処理や分析が進み、より高度な判断や設計に集中できるようになります。テクノロジーと共に進化できる職業として、むしろ将来性は広がっています。
若手不足で未経験でもチャンスが広がる
建設業界全体の課題として、若手人材の不足が深刻になっています。測量士も例外ではなく、ベテランの退職が進む一方で、若い担い手が足りない状況です。だからこそ今、未経験からでも測量士を目指す人には大きなチャンスがあると言えます。研修制度や資格取得支援などを整えている会社も多く、やる気があれば十分に育成してもらえる環境があります。「未経験だけど、手に職をつけたい」と思っている方にとって、今が絶好のタイミングです。
測量士に関連する資格
「興味はあるけど、どうやって始めればいいのかわからない」「資格がないと働けないの?」という不安を持つ方も多いはずです。実際、測量士には国家資格がありますが、未経験からでもステップを踏めば十分に目指せます。むしろ現場で働きながら経験を積み、徐々にスキルを身につけていく人が大多数です。この項目では、CCUS(建築キャリアアップシステム)の能力評価基準:建築測量に則り、測量士として持っておくと有利な代表的な資格をご紹介します。
入職~3年目まで
測量士の道は、いきなり高度な資格を取るのではなく、基本的なスキルや安全に関する資格からステップを踏んで取得していくのが一般的です。ここでは、未経験で入職した方が1年目〜3年目目安に取得を目指しやすい6つの資格を紹介します。いずれも現場で役立つ実践的な内容で、キャリアアップや資格手当にもつながる重要なステップです。
測量士補
測量士補は、測量士の指示のもとで測量作業を行うことができる国家資格です。測量士になる前のステップとして取得されることが多く、合格率も比較的高めで未経験からでも挑戦しやすい資格です。資格を持っていると、現場での信頼性が高まり、作業の幅も広がります。建設・土木業界への本格的なキャリア形成を目指すなら、最初に狙いたい資格です。
2級建築施工管理技士
この資格は、建築工事の現場で施工管理を行うための国家資格で、2級は主に中小規模の工事を対象としています。測量に限らず、建設業全体の理解を深めるうえで役立ちます。実務経験が必要ですが、見習いからのスタートでも3年程度で受験資格を得られることが多く、キャリアアップや転職時の強力な武器になります。現場全体の流れを把握したい方にもおすすめです。
2級建築測量技能者
2級建築測量技能者は、建築現場における測量業務を正確かつ安全に行うための技能を認定する資格です。実技を含む講習が中心で、測量器具の取り扱いや基準出し、精度管理など、現場で即戦力となる技術を身につけられます。民間資格ながら、各現場での信頼度も高く、業務の幅を広げることができます。測量補助から一歩前進したい方におすすめです。
足場の組立て等作業従事者特別教育
この講習は、建設現場で足場作業に関わる際に必要となる「特別教育」です。足場の上での測量作業もあるため、測量士補としても取得しておくと安心です。法律で定められた教育内容を受講し、足場の構造、危険性、作業時の注意点などを学びます。受講は1日〜2日程度で、未経験者でも問題なく修了できます。現場での安全確保と信頼向上につながる重要な資格です。
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育
高所作業に従事する者が必ず受講しなければならない安全教育で、測量現場でもビルや橋梁の高所で作業を行う際に必須となります。フルハーネス型安全帯の正しい装着方法や使用時の注意点を学ぶことで、自分自身の安全を守るスキルが身につきます。短期間で取得可能でありながら、現場での信頼にもつながるため、早期取得がおすすめです。
高所作業車運転特別教育
高所作業車を使用して作業を行うために必要な特別教育で、高所での測量や点検作業に関わる場面で活用されます。作業車の構造、操作方法、安全確認などを学び、実技講習も含まれるため、即戦力としてのスキルが身につきます。学科と実技を1〜2日で修了でき、資格手当の対象となることもあります。測量の現場幅を広げたい方にとって、取得するメリットの大きい資格です。
3年目以降~7年目まで
測量士として現場経験を積んでいくと、次に目指せるのはより高度な専門資格やマネジメント能力が問われる資格です。3年目以降は、実務のスキルだけでなく現場全体の管理力や判断力も求められ始めるタイミング。ここでは、現場の中核を担う人材として成長するために取得しておきたい4つの資格をご紹介します。
測量士
測量士は、測量計画の立案やチーム全体の指揮を任される、測量分野で最上位の国家資格です。測量士補としての実務経験が一定年数ある場合、試験を経て取得することができます。資格を持つことで現場責任者や管理職への昇格が見込め、独立開業も視野に入ります。専門性と信頼性の高さから、キャリアの大きな転機となる資格です。高収入も狙えるため、本格的に「一生モノの仕事」として取り組むなら必ず目指したい資格です。
1級建築施工管理技士
1級建築施工管理技士は、建設工事全体の計画・進行・安全管理を統括できる国家資格で、2級よりも対応できる規模や責任範囲が大きくなります。大規模プロジェクトの施工管理責任者として働けるようになり、会社内での昇格や独立にも有利です。取得には5年以上の実務経験が必要ですが、測量業務で積んだ知識も大いに活かせます。測量の枠を超えた活躍を目指したい方にとって、大きなキャリアの飛躍につながる資格です。
1級建築測量技能者
1級建築測量技能者は、建設現場における高度な測量技能を証明する資格で、2級と比べて精度や判断力、リーダーシップの面でも高いレベルが求められます。講習では現場指導やチームマネジメント、測量計画の立て方など、実務者としてワンランク上を目指す内容が扱われます。取得することで職長や主任としての信頼も高まり、社内外での地位向上につながります。スキルアップに意欲的な方には必須のステップです。
職長・安全衛生責任者教育
この教育は、現場で作業員をまとめる職長(リーダー)に必要な知識を身につける法定教育です。現場でのリスク管理や労働災害の防止、部下への安全指導の方法など、実務に即した安全衛生の知識が学べます。教育を修了することで、現場の安全責任者や指導的ポジションに就くことができ、チームを率いる立場としての信頼も高まります。安全意識の高い現場では必須ともいえる教育で、管理者として活躍したい人には必須の学びです。
7年目以降~10年目まで
測量の現場経験を長年積んだ後は、より高度な技能・指導力を評価される“業界のリーダー”を目指すステージに入ります。ここで紹介する資格は、建築測量の分野でトップクラスの技術と指導力を持つ人材として、公式に認定される称号です。信頼性・収入・キャリアすべてを高める重要な資格です。
登録建築測量基幹技能者
登録建築測量基幹技能者は、国土交通省が認定する「建築測量分野における最上位技能者」を示す資格で、現場の中心的な存在としての経験・指導力・技術力が求められます。取得には7年以上の実務経験と技能講習の受講が必要で、業界内での技術的信頼度が格段に高まります。また、この資格を持つことで、より高いポジションや責任ある業務を任されるようになり、管理職・指導職・教育係などとして活躍できる場も広がります。測量技術者としてのキャリアを極めたい方にとっての集大成とも言える資格です。