重量鳶とは？未経験でも手に職をつけられる仕事の魅力と将来性

重量鳶の仕事内容とは？

重量鳶は、建設業の中でも特殊で専門性の高い分野を担う職種です。主に工場や商業施設、大型ビル、発電所、プラントなどで使用される重量物の機械や設備を、安全かつ正確に搬入・据付・解体・撤去する仕事を担当します。作業にはクレーンやフォークリフト、ウインチなどの重機を使うことも多く、現場の安全管理や正確な配置技術が求められます。

大型機械の搬入・搬出作業

搬入とは、機械を工場や建物の中に安全に運び込む作業です。数トンにもなる機械をクレーンやフォークリフトを使って慎重に移動させ、障害物を避けながら指定の場所まで運びます。搬出では、不要になった機械や古い設備を分解・撤去して運び出します。周囲の安全を確保することが何よりも大切な仕事です。

設備機器の据付（すえつけ）

据付とは、搬入した機械を正確に所定の位置に設置する作業です。水平や垂直のバランスを取りながらミリ単位で調整する技術が求められ、現場ごとに状況が異なるため応用力も必要です。据付が終わったあとには、機械が正常に作動するかのテストも行います。

解体・撤去作業

使用済みの機械や、施設のリニューアルに伴って不要になった設備を解体し、安全に取り外す作業です。時には狭い場所での作業や、高所での作業もあり、経験と判断力が試されます。作業中は落下物や挟まれ事故を防ぐため、丁寧な工程管理が求められます。

クレーン作業の補助

クレーンオペレーターと連携して、吊り上げる機械の位置や動きを手信号で指示しながら誘導します。オペレーターとの息の合った連携が不可欠で、タイミングや判断ミスがないよう細心の注意を払います。まさにチームワークの要となるポジションです。

重量鳶の魅力や楽しさとは？

重量鳶の仕事には、他の職種では味わえない魅力ややりがいがたくさん詰まっています。体を使って働くのが好きな人や、達成感のある仕事をしたい人にとってはまさに天職と言えるでしょう。日々の成長を実感できることや、技術が評価に直結することも、この職種の大きな魅力です。

大型機械に関わるスケールの大きさ

数トン単位の巨大な機械を扱う場面では、日常生活では感じられないスケール感に圧倒されます。重量鳶は、まさに「大きなものを動かす」プロフェッショナルです。自分の手で大規模な機械を動かしたという経験は、大きな自信にもつながります。

現場ごとの変化が楽しい

現場は毎回異なるため、単調な仕事にならず、常に新鮮な気持ちで取り組めます。機械の種類、建物の構造、作業の内容などが変わることで、自然と対応力や応用力も身につきます。成長できる環境が整っています。

専門性が高い誇れる仕事

重量鳶は、鳶職の中でも特に専門性が高く、手に職を付けられる仕事です。メインとなる搬入・据付・解体・撤去で取り扱う機械が異なれば、その分職人としての知識が増え、働きながら成長しているという確かな手ごたえを感じることができるでしょう。

技術が収入に直結

重量鳶の世界では、経験や技術の差が評価に大きく影響します。腕に覚えがついてくれば、日当や月収も上がりやすく、若くても稼げる可能性が十分にあります。やる気と努力次第で、収入アップは現実のものとなります。

チームでの一体感

重量鳶の現場では、複数人で連携しながら作業を進めることがほとんどです。作業の合図や息の合わせ方、互いのフォローなど、チームワークが求められる場面が多く、人間関係も自然と深まります。仲間との信頼関係が仕事の質にも影響します。

重量鳶に向いている人とは？

「自分にできるか不安…」という方も多いと思いますが、重量鳶は誰にでもチャンスがある仕事です。特別なスキルがなくても始められ、経験を積むことで一人前になれます。以下に、重量鳶の仕事に向いている人の特徴をまとめました。

チームワークを大事にできる人

重量物の機械や設備は、一人での力ではどうにもならないため、チームでの仕事が基本になります。「自分一人が成長できれば」「周りより個」ではなく、チームワークを大事にしながら、チーム全体に意識を向けられる人に向いている仕事です。

安全意識が高い人

重量物を取り扱うため、一歩間違えれば大きな事故につながりかねません。そのため、常に現場では安全意識を持つことが求められます。安全管理に関する知識を持つだけでなく、正しい安全意識を持ち仕事に取り組めるかどうかが重要です。

体力に自信がある

現場では機械を動かしたり、資材を運んだりと、体力を使う場面が多くあります。力仕事が得意な人や、スポーツ経験がある人には向いているでしょう。継続的に働くことで自然と体力もついてきます。

几帳面な人

機械の据付では、ほんの数ミリのズレが後の不具合につながることもあります。そのため、丁寧で正確な作業を好む人、几帳面な性格の人は適性があります。「自分の仕事に責任を持ちたい」と思える人に向いています。

重量鳶の将来性とキャリアアップ

建設業界の中でも、重量鳶のような専門職は将来的にも高い需要が見込まれています。インフラの老朽化に伴う設備更新や、新規プロジェクトの増加により、安定した雇用が期待できます。将来を見据えたキャリア形成もしやすく、成長のステップが明確なのも魅力です。

建設業の需要は継続

都市再開発や老朽インフラの更新、災害復旧など、建設需要は今後も続くとされています。とくに重量物を扱える技術者は貴重な存在で、現場からのニーズは高いままです。安心して長く働ける職種のひとつです。

スキルに応じて昇給しやすい

給与は経験年数や取得資格、現場での評価に応じて上がる仕組みが整っている会社が多く、モチベーションを保ちやすいです。頑張りが数字に直結するため、やる気を持って働きたい人に向いています。

独立・起業の道も

経験を積んで人脈や技術が備われば、個人事業主や法人として独立する道もあります。元請け企業から仕事を受ける立場になれば、収入や自由度も大きく広がります。夢や目標を持ちやすい環境です。

海外案件への参加チャンス

日本企業が海外で展開するインフラ事業に参加する機会も増えています。特殊技能を持つ重量鳶は、海外でも需要があり、グローバルに活躍することも夢ではありません。語学力があればさらにチャンスが広がります。

重量鳶に関連する資格とは？

重量鳶は資格がなくても始められる職種ですが、特定の技能講習や免許を取得することで作業の幅が広がり、収入アップやキャリアアップにつながります。安全面でも重要な知識が身につくため、ぜひ取得を目指してみましょう。

玉掛け技能講習

クレーンで機械を吊り上げる際に必要な資格です。吊り具の選定やバランスの取り方、作業手順などを学びます。ほとんどの現場で必須とされており、入社後まず最初に取得するケースが多いです。

大型自動車運転免許

大型トラックでの機材の運搬や特殊車両の操作に必要な資格です。機材を現場に自分で運べるようになるため、機動力が増し、企業からも重宝されます。とくに地方や広範囲に現場がある企業では非常に役立ちます。

フォークリフト運転技能講習

重量物の積み下ろしや移動に欠かせない資格です。工場や倉庫だけでなく、建設現場でも活用される機会が多く、持っていて損はありません。荷重や荷重バランスについての知識も習得できます。

高所作業車運転技能講習

高所での作業に使用される作業車を運転するための資格です。安全帯の着用や落下防止策など、安全面の教育も含まれるため、安全意識の向上にもつながります。

とび技能士

重量鳶の技術を証明できる国家資格で、1級・2級・3級と段階があります。実技と学科の両方を通じて専門知識と技術力を証明するもので、職人としての信頼度を高めることができます。