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鉄筋工とは?仕事内容や魅力、将来性などを徹底解説

高卒や未経験から「安定した仕事」「手に職」を目指す方にとって、鉄筋工という仕事はとても魅力的な選択肢です。しかし、「現場仕事は初めてだから不安…」と感じる方も少なくないでしょう。この記事では、鉄筋工の具体的な仕事内容から、やりがい・魅力・向いている人の特徴、そして将来性やキャリアアップの道のりまで、具体的に解説していきます。
鉄筋工の仕事内容とは?
鉄筋工とは、建物の基礎や骨組みに使われる「鉄筋」を、図面通りに組み立てる職人です。コンクリート構造物には欠かせない存在で、まさに建築の土台を支える縁の下の力持ち。鉄筋の加工から現場への搬入、組立作業や仕上げまで、幅広い業務があります。はじめは覚えることも多いですが、先輩たちが丁寧に教えてくれるので、未経験からでも着実に技術を身につけることができます。
施工図/加工帳の作成
はじめに「施工図」や「加工帳」を作成します。施工図とは、現場でどのように鉄筋を配置するかを示す詳細な設計図で、加工帳はその内容をもとに鉄筋をどんな形・長さに加工するかをまとめた指示書のようなものです。これらの作成には正確な計算や読み取り力が必要ですが、現場の理解が深まると自然と身についてきます。
鉄筋の加工・運搬
次に、現場で使う鉄筋を必要な長さや形に加工していきます。鉄筋を曲げたり切ったりといった作業は、専用の機械を使って行い、安全に注意しながら丁寧に進めます。その後、加工済みの鉄筋を現場に運び入れる運搬作業も重要な工程です。重たい資材を扱うため体力は必要ですが、チームで協力しながら進めていくので安心です。作業前の準備がしっかりしていると、全体の工程もスムーズに進みます。
鉄筋の組立(配筋作業)・結束
加工された鉄筋を、現場で図面通りに組み立てていく作業が「配筋」です。鉄筋と鉄筋を「結束線」という針金で結びつけ、指定された形になるよう整えていきます。この作業は、見た目以上に繊細で正確さが求められますが、慣れてくると自分の手で形を作り上げる達成感を感じられるようになります。
コンクリート打設前の最終チェック
鉄筋の組立が完了すると、次はコンクリートを流し込む前に最終チェックを行います。設計図どおりに組めているか、鉄筋のズレや不足がないかなどを確認します。この検査がしっかりできていないと、建物の強度に影響が出てしまうため、非常に大切な工程です。
鉄筋工の楽しさ・魅力とは?
現場仕事というと「キツい」「汚れる」といったイメージを持たれがちですが、実際に働く中で感じられる魅力もたくさんあります。体を動かして働く爽快感、現場でチームと協力して一つの建物を作り上げる達成感、自分の成長を実感できる技術職としてのやりがいなど、働いているからこそ見えてくる「楽しさ」があるのです。ここでは、鉄筋工という仕事を前向きに捉えるための魅力を、具体的にご紹介します。
手に職がつく安心感
鉄筋工は、知識よりもまず「手を動かして覚える」職人仕事です。現場での経験を重ねるうちに自然と専門的な技術が身についていきます。これらのスキルは全国どこでも通用するため、転職や引っ越しがあっても強みになります。また、資格取得によってキャリアの幅も広がるため、「学歴ではなく腕で勝負したい」「長く使えるスキルがほしい」という方にとって、大きな武器になるでしょう。
安定した需要と収入の可能性
鉄筋工は、景気に左右されにくい建設業界の中でも特に需要の高い職種です。鉄筋を使わない建物はほとんどないため、仕事が絶えることが少なく、安定した収入を得られる可能性があります。また、経験や資格に応じて収入もアップしやすく、「若くして稼げる仕事」としても注目されています。実力がそのまま評価につながる業界なので、未経験からでも努力次第で月収30万~50万円も目指せます。
成長が目に見えて実感できる
鉄筋工の仕事は、現場経験がそのままスキルに直結します。最初は道具の使い方や作業の順序がわからなくても、続けるうちに自然と効率よく動けるようになり、自分の成長を実感できます。また、覚えたことがすぐ現場で活かせるため、学ぶことがすぐ成果に繋がるのも魅力です。上達すれば、より難しい作業を任されたり、現場をまとめる役割を担えるようにもなります。「昨日できなかったことが、今日はできた」その積み重ねが自信に変わります。
鉄筋工に向いている人の特徴
鉄筋工は、ただ力仕事をこなすだけではなく、現場での協調性や正確さ、責任感も求められる奥深い仕事です。とはいえ、特別な資格や経験が必要なわけではありません。実際、未経験からスタートして活躍している人もたくさんいます。ここでは、鉄筋工という職業に向いている人の特徴を具体的にご紹介します。自分に当てはまる部分があるかを確認しながら、適性のイメージを深めてみてください。
細かい作業が得意な人
鉄筋工の作業は、一見ダイナミックに見えますが、実は細かい結束作業や正確な位置決めなど、繊細な部分も多く含まれます。ミリ単位のズレが建物全体に影響することもあるため、丁寧な作業が求められます。「細かいことに気がつく」「同じ作業でも集中して取り組める」という人は、大きな強みを発揮できます。現場でも「正確にできる人」は重宝される存在になりやすく、職人としても高く評価されます。
自分の手で何かを作るのが好きな人
建物の基礎を「自分の手で作る」実感が得られるのは、鉄筋工ならではの魅力です。「図面どおりに形ができていく」「作ったものが何十年と残っていく」といった、ものづくりの喜びを味わえる仕事です。プラモデルやDIYなど、もともと作ることが好きだった人は、現場での仕事も楽しく感じるでしょう。手先の器用さも活かせるので、自分の“好き”がそのまま仕事になる可能性があります。
チームで協力するのが好きな人
鉄筋工の現場は、仲間との連携なしには成り立ちません。鉄筋は長さや重さがあるため、一人で作業するのは難しく、必ず複数人で協力しながら進めます。そのため、周囲とコミュニケーションを取りながら仕事をするのが得意な人、誰かと一緒に目標に向かって動くのが好きな人にはぴったりです。現場では、年齢や経験に関係なく、しっかり挨拶や声かけができる人が評価されやすく、信頼される存在になっていきます。
体を動かすのが好きな人
デスクワークよりも、外で体を動かすほうが性に合っているという方には、鉄筋工の仕事はぴったりです。現場では常に体を使いながら働くため、運動が好きな方や、汗をかくことにやりがいを感じる方にとっては、楽しく働ける環境です。また、日々の仕事が自然と体力づくりにもなるため、健康的に働けるのもメリットの一つ。「動きながら覚える」ことが得意な人にとっては、大きなやりがいを感じられるでしょう。
鉄筋工の将来性とキャリアアップ
建設業界において、鉄筋工は今後も高い需要が見込まれる職種の一つです。都市開発やインフラ整備、災害復旧など、鉄筋を必要とする工事は全国各地で絶えず行われています。さらに、技術を身につけることで、年齢を重ねても安定して働けるのも強みです。ここでは、鉄筋工の将来性と、キャリアアップの道筋についてご紹介します。
建設業界の人手不足と需要の高さ
近年、建設業界では高齢化と若手不足が進んでおり、鉄筋工を含む現場職の人材が慢性的に不足しています。逆にいえば、若くてやる気のある人材はどの現場でも歓迎され、仕事に困ることが少ない状況です。しかも鉄筋工は、鉄筋コンクリート建築に不可欠な職種のため、景気に左右されにくく安定しています。未経験でも「若さ」と「意欲」があれば、多くの企業が育成を前提に採用してくれる点も大きなメリットです。
経験を積めば現場を任される立場に
現場での経験を積んでいくと、徐々に「リーダー」や「職長」といった、現場をまとめるポジションを任されるようになります。こうした役職は、作業だけでなく、工程の進行管理や後輩の指導など、チーム全体を見渡す立場になります。責任は増えますが、その分給与や待遇もアップします。「誰かに教えられる人」になることが評価される環境なので、人としても職人としても成長できるやりがいのあるキャリアです。
幅広い分野への応用が可能
鉄筋工の技術は、建築現場だけでなく、土木、橋梁、高速道路、ダム建設など、さまざまな分野に応用できます。特に大型インフラ事業は公共性が高く、安定して仕事が続くのも特徴です。これにより、一つの現場が終わっても次の現場が見つかりやすく、継続的に働くことができます。また、現場ごとに異なる環境で技術を磨けるため、職人としてのスキルも自然と高まっていきます。多様な経験を積みたい方にとっては理想的な職種です。
資格取得によるステップアップ
鉄筋工は資格がなくても始められる仕事ですが、一定の経験を積んでから国家資格を取得することで、さらにステップアップできます。代表的な資格には「鉄筋施工技能士」や「登録鉄筋基幹技能者」などがあり、取得すれば現場での評価も高まり、給与面にも好影響があります。また、資格があることで元請けからの信頼も得られやすく、現場管理や教育係としても活躍の場が広がります。スキルアップを目指すなら、資格は大きな武器になります。
鉄筋工に役立つ関連資格
鉄筋工は資格がなくても始められる職業ですが、資格を取得することでスキルの証明となり、現場での評価や収入アップにもつながります。実務経験を積んでから挑戦できる国家資格や、作業の幅を広げられる技能講習など、目指せる資格は多岐にわたります。ここでは、CCUS(建築キャリアアップシステム)の能力評価基準に則り、鉄筋工として持っておくと有利な代表的な資格をご紹介します。
入職~3年目まで
鉄筋工として入職してから最初の1〜3年は、まず「基本的な安全知識」と「補助的な作業」を覚えることが中心となります。未経験からでも比較的短期間で取得でき、現場で即戦力として評価される資格はこちらです。
玉掛け技能講習
玉掛けとは、クレーン作業で資材を吊るす際に必要な操作で、鉄筋の搬入時や大型部材を扱う場面で必須とされます。講習は数日で完了し、未経験者でも取得しやすいのが特長です。現場作業の幅が広がり、「任せられる人材」として評価されるきっかけにもなります。入職から1年以内の取得を目指すと、キャリアのスタートダッシュとして非常に有効です。
3年目以降~7年目まで
現場経験を3年以上積み、基礎的な技術や作業工程を一通りこなせるようになってきたら、次のステップとして「1級鉄筋施工技能士(組立て、または施工図)」の取得を目指すタイミングです。
1級鉄筋施工技能士(組立て、または施工図)
鉄筋施工技能士は、鉄筋工の国家資格の中でも代表的なもので、2級に続き1級を取得すれば、現場内での信頼度が一段と高まります。「組立て」は実技メイン、「施工図」は図面作成・読解に特化しており、どちらも高度な知識と経験が求められます。1級を持つことで、職長や監督補佐といったポジションにも近づけるため、キャリアアップを本気で考える方にとって、大きなステップアップとなります。
7年目以降~10年目まで
鉄筋工として長年現場で経験を積んだ後に目指すべき上級資格が「登録鉄筋基幹技能者」です。
登録鉄筋基幹技能者
この資格は、1級鉄筋施工技能士を取得していることや、一定年数の職長経験があることが条件で、まさに現場のリーダー格としてふさわしい実績が求められます。取得すれば、現場全体の工程管理、安全管理、人材育成といったマネジメント業務にも携われるようになります。作業員としてだけでなく、会社や元請からの信頼も厚くなり、待遇や立場にも大きな変化が生まれるのがこのステージ。現場の最前線に立ちながら、人を育て、現場を動かす「技術も人も動かせる」職人を目指す大きな節目です。